透明なゆりかごの漫画1巻-2話は「野良妊婦」 ネタバレしたくない方
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透明なゆりかごの漫画1巻-2話は「野良妊婦」 ネタバレ
透明なゆりかごの漫画1巻-2話は「野良妊婦」 です。
新生児には、新生児にしか見られない、原始反射というのがある。
原始反射(げんしはんしゃ)とは、神経学的に手付かずではない大人は示さないが、
正常な幼児が特有の刺激に応えて示す中枢神経系由来の反射行動である。
これらの反射は、子供が正常に成長し前頭葉が発達すると失われる。
この反射は、数ヶ月で消失するのだが、反射が左右非対称だったり、消失しない場合は、
何らかの障害があるといわれている。
沖田さんがバイトを始めて1週間。
何だか、新生児の世話が楽しくなってきました。
「沖田さん、田中さんって人、外来で見たことある?」
「えーと、すみません、見たことありませんし、知りません」
「昨日からかけこみで来てる方なんだけど、健康保険証も母子手帳も何も持ってなくてね。
駆け込みで分娩にやってきた田中さんはいわゆる『野良妊婦』
一応カルテは作ったけど・・・ちょっとワケアリかもしれませんね」
田中さんは、糖尿気味の人だった。
そして、苦労して、やっと生まれた新生児は新生児糖尿病(DM)になっていました。
ところが・・・
出産を終えたばかりの女性は青い顔で点滴をぶら下げたままフラフラと病室から出てきました。
「まだ動いちゃだめですよ!」
倒れそうな彼女を廊下のソファに座らせ慌てて同僚を呼びに行っている間に
田中さんは、病院から抜け出してしまいました。
あわてて連絡をとろうとしたが、
名前も住所も、電話番号も、デタラメ!!連絡のとりようがありませんでした。
とりあえず警察に通報することになった。
赤ちゃんは、今にも死にそうな感じだった。
すごく体重は重いが、泣き声は弱く、生命活動も覇気を感じることが少なかった。
弱弱しい新生児を前にして、初めて私は、恐怖を感ることとなる。
新生児は、カワイイだけじゃないんだ。
翌日・・・
いきなり赤ちゃんの両親が現れた。
彼は既婚者。
田中さんは、不倫だったのだ。
「生んだら、あの人と結婚できるって考えてたけど、そんなに甘くはなかった。
こんな親でも、この子は私を、必要としてるのかな?」
田中さんは、初めて赤ちゃんを見た。
そして抱いた。
「いいにおい。赤ちゃんってこんなにおいするんだ・・・。
ごめんねごめんねごめんねごめんね。私何も見えてなかったんだね」
田中さんは、母親の顔になって、退院していった。
だけど。
退院後すぐ、赤ちゃんは亡くなってしまった。
添い寝中に窒息死したらしい。
ナースたちの間では、虐待だろう、という話になっていた。
だけど、私は、
健太くんは、お母さんが添い寝しながら授乳しているときに、窒息死したのだと、信じたかった。
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